2020年度から小学校で、2021年度から中学校で、2022年度から高等学校で、「プログラミング教育」が始まります。

様々な場面で、「プログラミング教育」の必修化が話題になり、TVやブログ等で取り扱われています。

高等学校では、「情報I」という情報の必修科目の中での位置づけなので、教える先生も情報科の先生、つまり、専門の先生が指導することになります。(ここにも、問題点はありますが、別の機会に。)

特に、小学校、中学校では、学校全体で取り扱うことになります。すべての学校に、情報の専門の先生がいるわけでもなく、また、情報が得意な先生だけで指導するわけでもなく、なぜ、唐突に「プログラミング教育」が必修化されるのでしょうか?

会社では、新しいプロジェクトを立ち上げるのに、新たな人員の配置や予算処置を考えずに行うことは、無謀ではないでしょうか?

では、なぜ、学校では、「ダンス」「英語」「プログラミング教育」と立て続けに、新たな内容が導入され、それに対する「新たな人員の配置や予算処置を考えずに行う」ということが、当たり前のように実施されるのでしょう?

教育において、もっとも大切なのは、初学者(初めてその内容を学習する人)に対する指導です。将来のことも含めて、全体像がはっきりと分かっている人であるからこそ、何の概念もない初学者に対して対応できるのではないでしょうか?

「専門的な内容を教えるわけではない」から、「身近にあるものに触れるだけだから」などと言って、専門でもない内容をこの指導が難しい「初学生」に教えなさいというのは、乱暴ではないですか?

また、これまでの「ダンス」「英語」などと同じように、「プログラミング教育」に必要な知識・技能を付ける研修は、各学校の先生の自腹でやっているので、単に費用面だけではなく、各先生の家庭での時間を割いて、自己研修を行っています。今年度は、新型コロナウイルスの対応にも追われている学校の教師にとって、更なる負担となります。

ICT支援員という制度はありますが、十分に活用できる学校は、ICTに精通した先生が居られる学校で、そうでない学校は、どのように依頼したらいいのかすらわからずに負担軽減にならないことも多くなるのではと危惧しています。