間違の多い10項目
P検 3級の模擬試験のExcelで、よく間違えるのが、次の10項目です。
間違える原因としては、次のような場合が考えられます。(注)( )内の番号は、上記の番号。
- 普段利用しない(1)(10)
- 設定の場所がわかりにくい(2)(3)(4)(9)
- 内容が分かりにくい(6)
- 似たような処理と間違える(5)(7)(8)
ここでは、「6.絶対参照を使用した計算式の作成ができる」を解説していきます。
「6.絶対参照を使用した計算式の作成ができる」の解説
「参照」とは、日本語としては、「照らし合わせて参考にすること」です。あるいは、レファレンスという意味です。それでは、Excelでは、どのような意味で使っているのでしょうか?
「セルの位置を示すもの」ということです。ただし、Excelでは、セルの位置そのものを扱うことはあまりありません。ですから、実際には、「指定されたセルの位置の内容(数値・文字列)」と考える方が分かりやすいと思います。
それでは、「絶対参照」とは、どのような意味でしょうか?それは、実際に利用される場面を想定すると分かりやすいです。つまり、「数式を別のセルに複写・移動しても、同じセルの位置(の内容)を示す」ということです。「複写・移動」しても変化しないということです。
具体的例
具体的な例を考えてみます。
No | 商品名 | 単価 | 数量 | 小計 | 割引金額 |
1 | 冷蔵庫 | ¥66,744 | 1 | ¥66,744 | ¥4,004 |
2 | 液晶テレビ | ¥112,800 | 3 | ¥338,400 | ¥20,304 |
3 | エアコン | ¥86,500 | 3 | ¥259,500 | ¥15,570 |
4 | 洗濯機 | ¥26,400 | 1 | ¥26,400 | ¥1,584 |
5 | 食器洗い乾燥機 | ¥42,800 | 1 | ¥42,800 | ¥2,568 |
割引率 | 6% |
Excelの基本
計算式としては、「小計=単価×数量」と「割引金額=小計×割引率」(小数点以下を切り捨て)となります。
式としては、言葉で書くと、特に大きな違いがわかりません。
Excelの基本ですが、本来は、各セルの間に違いはありません。それが、Excelの利点であり、欠点です。
このセルには、何が入っているのか、ということ、つまり、数字の意味をセルに持たせることができないということです。使う人が、自由に使っていいということです。
NOの下の1と、数量の下の1は、同じ1ですが、使われ方が違います。意味がことなるので、Noのしたの1と2を合計して3と出しても、全く無駄ですね。ところが、数量の場合は、1と3を足して、4とすることは、意味があります。つまり、何点購入したのかがわかるからです。
このように、Excelでは、セルの使われ方に制限がありません。それは、便利な点もありますが、使う人が、しっかりと管理しないといけないということです。
このように考えると、表の一番上の項目名は、非常に意味があるということが分かります。
No | 商品名 | 単価 | 数量 | 小計 | 割引金額 |
人は、この名称を見ながら、その下の数字を扱っていきます。
ということは、その下の数字は、常に、この項目名を意識しながら使わないといけない、ということになります。つまり、
1 | 冷蔵庫 | ¥66,744 | 1 | ¥66,744 | ¥4,004 |
2 | 液晶テレビ | ¥112,800 | 3 | ¥338,400 | ¥20,304 |
のように、見るのではなく、
No | 商品名 | 単価 | 数量 | 小計 | 割引金額 |
1 | 冷蔵庫 | ¥66,744 | 1 | ¥66,744 | ¥4,004 |
No | 商品名 | 単価 | 数量 | 小計 | 割引金額 |
2 | 液晶テレビ | ¥112,800 | 3 | ¥338,400 | ¥20,304 |
のように、見ないといけない、ということです。
表を見るときには、常にこのことを意識してください。
上の2つの表の一部について、考えてみましょう。「No」「商品名」「単価」「数量」は、予め決まったものです。つまり、値として、セルの中に入っているので、コピーや移動しても、内容は変化しません。
「小計」
次に、「小計」は、どうでしょうか?「単価×数量」で計算できるので、上の2つの表の一部の中だけで、計算が終了しますね。このような場合は、絶対参照にする必要はありません。つまり、相対参照になります。
相対参照は、式を作るときに特別なことをしなくていい、ということです。(「F4」キーを押す必要はありません。)
それでは、「割引金額」は、どうでしょうか?「割引率」の「6%」が必要ですね。しかも、この数字は、1つの行の中にはない数字です。このような場合には、絶対参照が必要になります。このように、同じ行の中にない数字(セル)を利用するときは、絶対参照にする必要があり、その数字(セル)をクリックして、選択した直後に「F4」キーを押して、絶対参照に変えておく必要があります。(結果として、$が付きます。)
慣れると、絶対参照もそれほど難しく感じなくなります。
繰り返し練習が、大切です。
次回
次回は、絶対参照についての具体的な例を紹介します。更に理解を深めることができると思います。
次回:「P検 3級 実技試験(Excel) ワンポイント(1)」・・・絶対参照の具体例の紹介
【参考】
次のサイトに、絶対参照で利用する「F4」キーの使い方の詳しい説明があります。参考にしてください。
(Udemy)エクセルの絶対参照とは?使い方とショットカットキーを解説