密度とは
密度とは、容器などに中味がどれくらい詰っているかを示すものです。例えば、人口密度は、「一定の面積の中に人が何人住んでいるか」という、人の集まり具合を表わすものです。このように、密度は、「混み具合」とか「詰り具合」を比較し易いように数値に直したものです。
今、4両連結の電車に800人が乗っているときの電車の「混み具合」を考えてみましょう。
どの程度混んでいるかを表現するのには、色々な方法が有ります。「電車に乗っている人数を利用する」とすると、全く同じ電車であれば、混み具合を比較することができますが、車両の数の異なる電車同士では比較することができません。「1つの車両に乗っている人数を利用する」とすると、食堂車などの特殊な車両や乗客定員の異なる車両では比較することができません。
このように、車両の混み具合を比較するためには共通の基準・条件が必要となります。この共通の基準・条件を「単位」といいます。「単位当りで比較する」ということは、共通の基準・条件で比較しているということを宣言していることになります。比較したいものによってこの単位は変化していきます。そして、この単位は自由に設定することができます。しかし、各自が勝手に単位を設定していては比較した結果に他の人が納得しません。したがって、誰もが納得できるように単位を設定する必要が有ります。
ここでは、同じ車両しか利用できないと考えて、単位を1つの車両と考えます。4両で800人が乗っているので、1両あたりは、
800÷4=200
となり、1車両当たりの人数が200人と分かります。この「1車両当たり」が単位で、200人がこの場合の密度となります。一般に、
中味の量÷容器の大きさ=1当たりの量(密度)
となり、この「1当たりの量」が密度となります。また、この場合、容器1つが単位となります。
最後に、密度についての注意点とまとめをしておきます。
密度とは、単位当りの量のことである
割り算の結果は、密度と考えることができる
密度を考えるときには、単位に注意しないといけない
割り算の式は、単位を宣言している
密度と割り算・掛け算
4両連結の電車に800人が乗っているとき、1両当たりの人数は200人で、この200人が密度となります。式で表わすと、次のようになります。
800÷4=200
次に、1両当たりの人数が200人で、車両が4両ある場合を考えると、電車全体では、800人乗っていることが分かります。これも式で表わすと、次のようになります。
200×4=800
更に、1両当たりの人数が200人で、電車全体に800人が乗っている場合を考えると、車両は、4両あることが分かります。これは、次のような式で表わせます。
800÷200=4
このように、密度では、掛け算(×)・割り算(÷)が計算の中心的な役割を演じています。上記の3つの式を一般的な表現すると次のようになります。
1.中味の量÷容器の大きさ=1当たりの量(密度)
2.1当たりの量(密度)×容器の大きさ=中味の量
3.中味の量÷1当たりの量(密度)=容器の大きさ
この1と2を考えると掛け算と割り算の意味がよく分かります。つまり、
掛け算(×) → 「1当たりの量」の「いくつ分」を求める
割り算(÷) → 「いくつ分」から「1当たりの量」を求める
ということです。